コ ラ ム / 解 説



技術解説環境に優しい太陽光発電を知ろう
その仕組みと補助金・売電などについて (「森の恵通信 2010年8月号」掲載)

 家庭からのCO2排出を減らす方策として、注目を集めている太陽光発電。火力発電と比べると、10分の1以下のCO2排出量で電気をつくれます。現在、太陽光発電の導入には、国と自治体の補助金や余った電気の買取制度などがあり、以前に比べて格段に導入しやすくなっています。
●太陽光発電の仕組み
 太陽光発電というと、難しそうに聞こえますが、基本は腕時計などに使われる太陽電池と同じ。太陽の光を受けて電気をつくります。太陽電池はあまり大きくできないので小さな電池をたくさんつないだ「モジュール」をつくり、それを屋根に並べて「パネル」にしているのです。
 パネルで発電されるのは、乾電池などと同じ「直流」の電気ですから、テレビや冷蔵庫などで使える「交流」に変えるため、太陽光発電には「パワーコンディショナ」という装置が含まれています。
 太陽光発電は昼間しか発電できませんし、余った電気は電力会社に買い取ってもらうため、太陽光発電を設置した家でも、これまでと同様に電力会社の線につなぎます。
 なお、太陽光発電を導入するときは、まず最大の発電量を決めます。現在のところ、住宅に導入する場合、3kW、4kW程度の発電量が多いようです。発電量が大きいほど必要な「モジュール」も増え、導入価格も高くなります。

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太陽光発電システムの仕組み
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●国と自治体の補助金について
 新築であれ既存住宅であれ、太陽光発電を設置すると、国から最大の発電量1kWあたり7万円の補助を受けることができます(上限10kW=70万円まで)。
 自治体の補助金は、個々の自治体ごとに異なります。 一例として、2010年8月現在、神奈川県横浜市の住宅に設置する場合、県の補助金は1kW当り2万円(上限7万円)、市の補助金が同じく2万円(上限8万円)となります。
●電力会社の買い取り
 太陽光発電でつくった電気を家庭内で使い切れなかった場合、余った電気は自動的に電力会社が買い取ってくれます。この売電価格は、現在1kW当り48円で、私たちが家庭で使う電気料金の倍近い価格です。導入から10年間は、導入時の売電価格が維持されることになっています。

制度解説住宅版エコポイントの詳細まとまる!
その概要と申請に必要な書類など (「森の恵通信 2010年4月号」掲載)

 前号では、新設された「住宅版エコポイント」の概要としてリフォームでの利用を中心に、どのような改修にどのくらいのポイントが付くかをご説明しました(前号の記事はコラム頁にあります)。その後「住宅エコポイント事務局(以下・事務局)」が設置され、具体的な申請方法などが決まりました。そこで今回は、エコポイントをもらうにはどのような準備や手続きが必要になるのかをご説明します。
■再確認・リフォームのエコポイント対象工事とそのポイント数
 前号でも解説していますが、参考のため簡単にまとめます。対象となる工事は、@窓、A外壁などの断熱、Bバリアフリーですが、Bは@かAと一緒に施工することが条件です。得られるポイントは1戸あたり30万ポイント(1ポイント1円相当)が上限です(同じ住宅で対象工事を何度かに分けて行っても、ポイントの上限は「1戸あたり」なので、合計で30万ポイントまで)。エコポイント対象工事と各ポイントは下表の通りです。



 エコポイント対象のリフォーム工事は、今年中に工事に着手し、ポイント申請期限(来年3月31日)に間に合うように完了する必要があります。また、エコポイントの交換期限(利用可能な期限)は平成25年3月31日です。
 なお、対象工事には工事施工者との工事請負契約が必要で、日曜大工などで自分で施工したものは対象になりません。
■リフォームに使える建材
 エコポイント対象の工事に使う、窓ガラス、サッシ、断熱材は事務局に登録されている製品から選びます。住宅の省エネ性能向上という目的から、十分な断熱性能を持つ建材をメーカーに申請させ、事務局がチェックしてから登録するという方式になっているのです。すでに多くのメーカーが該当製品を登録しており、事務局のホームページで参照できます。
■事前申請は不要・申請は完成してから
 エコポイントの申請は対象となる工事が完成してから行います。事前の届け出などは不要です。逆に、工事が完成していないと申請できません。これは「即時交換(エコポイントを同時に行う追加の工事の支払いに充当する)」を利用する場合も同様で、エコポイント申請時に追加工事も完了している必要があります。ただし、外壁などの断熱改修工事の場合は、申請に必要な工事状況の写真を、工事中に撮っておきます。
 工事が完成したら、下表の必要書類を揃え事務局に郵送するか、申請窓口(全国に3800箇所程度。事務局ホームページで検索可能)に提出します。申請は申請者本人(お施主さま)か代理人(工事施工者で可)が行います。なお、ポイントの「即時交換」を利用する場合は、窓口への持参のみとなります。森 の 恵 が施工するリフォームでは、当社が代理申請いたしますので、ご相談ください。
●すべての方が必要な書類
@住宅エコポイント発行・交換申請書 リフォーム用(戸別申請)
A工事証明書(リフォーム)
B領収書のコピーまたは契約書のコピー
C<窓の断熱改修>窓、ガラスの性能証明書+工事写真
D<外壁、屋根・天井床の断熱改修>納品書または施工証明書+工事写真
E<バリアフリー改修>工事写真F申請者の本人確認書類
●代理申請で追加する書類
G代理申請者の本人確認書類
●即時交換で追加する書類
H即時交換申請書
I即時交換申請書(振込口座登録用)
J即時交換工事の工事写真 1枚

制度解説環境とお財布に優しい、住宅版エコポイント登場!
省エネ性能を高るリフォームにバリアフリーも加えた補助制度 (「森の恵通信 2010年2月号」掲載)

■住宅版エコポイントはリフォームで生かそう
 環境に優しいグリーン家電を購入すると、1点1円相当のポイントがもらえるエコポイント。昨年5月のスタート以来かなりの人気で、すでに利用された方も多いのではないでしょうか。今年3月末で終了するこの制度の後継として登場したのが「住宅版エコポイント」です。この制度は、省エネ性能の高い家の新築と、省エネ性能を高めるリフォームに対して、新築は一戸30万ポイント、リフォームは内容に応じて最大30万ポイントが取得できる制度です。
 新築については、省エネの基準が同じ(省エネ等級4)でもっと有利な補助(最大100万円)を得られる「長期優良住宅制度」(エコポイントと併用不可)がありますので、ここでは使い勝手の良いリフォームでの利用の概要を解説します。なお、この制度は今年度の補正予算で実施されるため、完成が今年の1月28日以降来年3月末までの工事が対象です。
■省エネ改修すればバリアフリーも対象に
 制度の趣旨は、その名のとおりCO2削減につながる住宅の省エネ性能向上ですが、リフォームの場合、ニーズの高いバリアフリー改修も、省エネ改修と同時に行うことでポイントがつきます。対象となる工事は以下@〜Bの3項目で、全体の上限は合計30万ポイントです(ポイントは下表参照)。
@窓の断熱改修(内窓設置・外窓交換、ガラス交換)
 改修後の窓が、省エネ基準の断熱性能を満たすように改修します。窓の設置・交換のポイントは一箇所毎で、内窓設置は内窓交換も含み、外窓交換は増築等での新設も含みます。窓の面積はサッシの枠外寸法を測定。ガラス交換のポイントはガラス1枚毎。面積はガラスの寸法を測定します。
A外壁、屋根・天井又は床の断熱改修(部位ごとに一定以上の量の断熱材を用いる断熱改修)
 熱伝導率などの断熱性能が確認された断熱材を使用し、各部位毎の断熱材の量(m3)が、断熱材の性能別に規定された量(外壁で6m3または4m3 )以上であることが条件です。
Bバリアフリー改修(手すり設置、段差解消、廊下幅等拡張)
 @またはAと一緒に行う場合に限ります。合計5万ポイントを上限に、●手すりは、浴室、便所、洗面所、その他の居室、廊下・階段、の5項目 ●段差解消は、屋外の出入り口、浴室、その他の屋内、の3項目 ●廊下幅等の拡張は、通路、出入口、の2項目にポイントがつきます。


左:二重サッシの構造の例。右:複層ガラスの構造の例

上図は国土交通省の資料を参考に作成しました。図の窓、断熱材などは一例であり、 基準に適合する製品にはさまざまなものがあります。




■ニーズに合わせたエコポイントの「即時交換」
 住宅版エコポイントの大きな特徴は、交付されるポイントを追加のリフォーム工事に使用できる点です。グリーン家電と同様に、プリペイドカードや各種の製品など、エコポイントの交換対象はさまざまに用意されますが、中でも「即時交換」と呼ばれる仕組みは注目です。
 これは、取得したエコポイントを「そのエコリフォームを行う工事業者が追加的に行う工事の費用に当てることができる」ものです。例えば、30万のエコポイントを取得できるリフォームを行う場合、併せてその家の水廻り改修などエコリフォームに該当しない工事を追加することで、その部分の費用の一部としてエコポイントを充当できるのです。実際にリフォームする場合、エコリフォームの対象工事だけではなく、もっと便利に暮らしやすくなるよう計画したいものですが、そういったニーズに対応した仕組みです。
■エコポイントをもらうには
 リフォームのエコポイントは、今年中に工事に着手し、来年3月末までに申請した工事が対象になります。エコポイントを取得するには、事前の手続きは不要ですが、申請するには、例えば交換後の窓の製品情報や工事後の写真など、さまざまな資料を揃える必要があります。森の恵では、エコポイントも含め無料でリフォーム相談をお受けしていますので、お気軽にご相談ください。


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